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皆様、新年明けまして、おめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り誠にありがとうございました。
新たな年を迎え、初心に帰り精進に勤める所存です。
2009年12月、塩田剪庭園は古来より伝わってきた剪定の技法を調べ引き継ぎ、また数千年に渡り、紡がれてきた日本独自の剪定技法「古流剪定術」を継承して立ち上げました。
私自身は樹木内科・外科医、樹木剪定士、小規模造園家となって22年を迎え、塩田剪庭園も樹立から11年となります。
昨年も引き続き多くの方々より、植木の剪定、樹木診断・治療、造園工事等のご依頼を頂き、本当に感謝しております。
新年のご挨拶と致しまして、昨年のおさらい、ミューズと文化、そして本年に向けての取り組み等についてお話ししたいと思います。
昨年のおさらい
昨年は年明けから多数の剪定作業のご依頼を頂くことが出来ました。
お寺やアパートなど様々な現場での剪定作業、草刈り作業もさせて頂きました。
今年は秋に右腕が上がらなくなり、数日お休みを頂いた影響もあり、年内が大晦日までの作業となってしまい、ご迷惑をおかけ致しました。
多くのご依頼者様。
他社に乗り換える事も無く、待ってくださいました。本当に感謝しております。
年の瀬迫った中、待ってもらえず他社への乗り換え、他社へ依頼もあると覚悟していましたが、1件も無く進むことが出来ました。
しかし反面、依頼予定がないにも関わらず、連絡等をしてくるイタズラ行為が多数ありました。
例えば、
広島市安佐北区亀山南5丁目という方では、樹木診断の依頼ということでありながら、わざと他人の住所をメールに記載して後に、冷やかし行為だったと連絡してきた人、
また広島市安佐南区安東3丁目7という方では、2019年10月に連絡があり依頼のキャンセルをしたと思ったら、「やっぱりやる」「やっぱりやらない」などの連絡を何度も繰り返し、12月30日午後4時55分頃「本当は依頼などしないつもりでいた」と連絡をしてきました。
他、広島市に敷く井口鈴が台では、年の瀬が迫っている中、依頼予定がないにも関わらず「イタズラ目的だ」ということで連絡をしてきた人もいました。
こうしたイタズラ行為には大変遺憾に思います。
それでも、適切にご依頼くださった方の所で作業をさせて頂き、綺麗な庭木を見させていただき、また自分の技術もまた向上させることもできましたので、総合的には良い仕事ができてやる気も、イタズラにも負けん気がさらに強くなりました。
ミューズと文化
ミューズをご存知の方も多いでしょう。
音楽の女神、学芸全般を司る女神達です。
ギリシャの時代では美術などの手仕事よりも、音楽などの感性による芸術の方が地位が高いとされていたそうです。
それだけ音楽をこよなく愛してきたと言うことではないでしょうか。
恐らく、音楽だけでなく美術など芸術全般の“文化”を愛してきたのだと思います。
日本も和歌、茶の湯はもちろん、庭など独特の文化を持って愛されてきました。
剪定もまた然り。
それぞれの庭、庭木に合わせて剪定という技術が生まれ、松の剪定も日本独自の技術が生まれました。
そして、剪定という技術はあらゆる文化で存在して全ての基礎となりました。
例えば茶道ではお庭、庭木、植木があって茶の湯を楽しめますし、華道も植物を使いますので、剪定の心が必要となります。
また剪定には茶道の庭木、花の生け方である、自然にある花のように季節を茶の湯をする場所、床の間などに添える方法、華道の花を生ける時には命、自身の心情、理想を美しい花や工具、針金などで形作り表現する方法である双方の技法を備えています。
礼儀を尽くし状況、季節、庭の風景に合わせた方法で作業すること、綺麗な庭木でもてなすことが出来るよう、準備に膨大な時間を使います。
また作業する者が自分自身と向き合い、想いや表現などを庭木、花に託して仕立てる事。
これらは茶道や華道などで見られる精神であって、まさに剪定の精神であります。
音楽が愛されたように剪定の存在を古来、日本人が敬愛し続けていた事と、剪定と人との関係が今なお続き、日本の剪定の文化が世界の多くの国で愛され日本庭園、マツ、盆栽として形づいて生活・趣味の一つとなって広がっていること嬉しく思います。
確かに昨今は植木や庭木はお金がかかると忌み嫌われがちです。
伝統も文化も古い、高いと捨てられています。
しかし、文化は宗教と似ていて、人の健康な精神活動の一つであり、また人が人として生きるための技能でもあります。
剪定も同じく、ずっと生活の一部にあり、文化の一部であり存在し続けるでしょう。
今年の取り組みと樹木保全・保護の拡充
今年は3つの内容について拡大・拡充していこうと思います。
一つは樹木の保全・保護、また日本においては剪定の伝統文化の保全、継承をさらに進めていく事です。
私は20年以上前に、樹木の保全・保護、樹木を守る仕事など樹木全般に関わる諸問題、業界を束ね守る地球樹木保全・保護機関の礎をまとめた“地球樹木保全・保護機関憲章”を、地域の樹木保護、剪定の拡充として、剪定作業の技術の保全・保護を目的とした機関の総則をまとめた世界樹木剪定機関憲章、、第3極となる樹木の医者「樹木内科・外科医」の制度拡充、保護を目的とした樹木内科・外科医、樹木剪定士制度機関憲章、樹木内科・外科医、樹木剪定士規範と、これら全てを取りまとめる機関となる樹木参事会の“樹木参事会憲章”を作成し、個人事業主ならぬ『個人NPO』として立ち上げ開始しました。
この憲章を基に活動を広げています。例えば樹木内科・外科医としての仕事を増やし規範を守り活動と技術向上を図っています。
樹木全般に携わる職業等について、礎となり、事業、樹木、森林等を保護できるよう、地球樹木保全・保護機関を拡大させていきます。
そして、完全に独立していて、隠された思惑もなく、「正しい」と思った事をする。
全ての機関がそれをできるよう、全ての機関が永遠に運営し続けるよう、樹木参事会の指揮力を強くできるようしたいと思います。
2つ目は伝統文化の保護と発展、技術の発展と継承です。
剪定士、樹木内科・外科医として、そして剪定という文化に携わる文化人として、文化と技術を維持していきたいと思います。
伝統を守る事は容易ではありません。
時代の風潮を取り入れていく事も、伝統を守るには必要と考えています。
伝統が失っていく中、樹木、庭木が生活にあり、伝統、文化に根付いて生きてくれることを願い、技術を紡いできた多くの先人達が思い描いた理想を引継ぎ、新しい仕組みも取り入れながら、これからも守る事を現実にしていきます。
また技術の保護については、新たにNPOとして『剪庭園オピニオン』を立ち上げたいと思います。
剪庭園オピニオンは塩田剪庭園が紡ぎ発展させた技術、剪定の想いなどを現場システムを使用して公開、発信していくものです。
この中には環境保全、先ほど申し上げました伝統を守る事項、方法等についても取り上げて地球環境保全、あらゆる伝統文化の保護に寄与できるよう活動できたらと思います。
3つ目は塩田剪庭園の事業拡大です。
本年も、多くの方より剪定作業、樹木診断・治療の他、草刈りや造園工事等のご依頼を多くいただきたいと思っております。
また、ネットでの樹木診断だけでなく、剪定作業のご相談、DIYに関するご相談も承ることで、より多くの方々とご縁を結び、事業を拡大して参ります。
これからも塩田剪庭園は、剪定と庭の名を冠する者として、剪定の精神を忘れず、常に忠誠を持ち、適切かつ正しい方法を選び剪定、樹木診断・治療、全てのお庭の管理、樹木の管理観察をさせて頂きます。
お話しが長くなりましたが、本年のご挨拶とさせて頂きます。
本年もどうぞよろしく、お願い申し上げます。
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